Bitcoin(ビットコイン)などの暗号資産はコンピューターを使って複雑な計算を解くマイニングと呼ばれる処理を行うことで、新たに発行された暗号資産を獲得することができます。マイニングを効率的に行うには大規模なコンピューター設備が必要で、世界中で莫大な電力を消費しながらマイニングが行われています。そんなビットコインのマイニングによる消費電力量を分かりやすく示した「Cambridge Bitcoin Electricity Consumption Index (CBECI)」をイギリスのケンブリッジ大学が公開しています。

Cambridge Bitcoin Electricity Consumption Index (CBECI)

https://cbeci.org/

CBECIのトップページでは、世界中のビットコインマイニングによる消費電力の理論的最小値、推定値、理論的最大値が30秒ごとに更新されています。記事作成時点では、30秒ごとに最小4.20GW、推定13.41GW、最大46.14GWの電力がビットコインのマイニングによって消費されていました。また、黄色の文字で記された年間平均消費電力量は、最小42.05TWh、推定123.99TWh、最大281.76TWhです。

2015年10月から2021年2月までの消費電力量の推移はこんな感じ。上段の黒い線が理論的最大値、中段の黄色い線が推定値、下段の黄色い線が理論的最小値です。全体的に消費電力量は上昇傾向にあり、特に2020年11月頃から急激に上昇していることが分かります。

世界の総発電電力量や消費電力量に占めるビットコインマイニングによる消費電力量の割合はこんな感じ。世界の総発電電力量は2万5082TWhで、そのうちビットコインマイニングによる消費電力量は0.49%です。また、世界の総消費電力量は2万863TWhで、ビットコインマイニングによる消費電力量はそのうちの0.57%を占めています。

再生可能エネルギーによる発電量とビットコインマイニングによる消費電力量を比較するとこんな感じ。世界中の水力発電による総発電電力量は4164TWhで、ビットコインマイニングによる消費電力量の34倍の電力を発電しています。また、バイオ燃料や廃棄物を用いた発電では、ビットコインマイニングによる消費電力量の5倍に当たる577TWhの電力を発電。太陽光発電や風力発電はビットコインマイニングによる消費電力量の11倍に当たる1405TWhの電力を発電しています。

世界の国々の消費電力量とビットコインマイニングによる消費電力量を比較するとこんな感じ。ビットコインマイニングによる消費電力量はオランダ(Netherlands)の110.68TWhやアラブ首長国連邦(United Arab Emirates)の119.45TWhよりも多くの電力を消費していることが分かります。

国ごとの消費電力量ランキングにビットコインマイニングによる消費電力量を挿入すると、31位に位置します。ビットコインマイニングによる消費電力量が国家レベルの規模に達していることが分かります。

国ごとのビットコインマイニングによる消費電力量を比較すると、中国が全体の65.08%を占めて1位の座に着き、2位にアメリカ(7.24%)、3位にロシア(6.9%)と続きます。

他にも、CBECIではビットコインマイニングによる消費電力量とさまざまな事柄の消費電力量が比較されています。例えば、アメリカ国内の「常に電源が入っているものの、使われていない機器」はビットコインマイニングによる消費電力量の1.8倍の電力を消費しています。

また、ビットコインマイニングによる年間消費電力量をヤカンでお湯を沸かすエネルギーに換算すると、イギリス全土のヤカンの水を28年間、ヨーロッパ全土のヤカンの水を4.1年間沸かすことができます。

さらに、ビットコインマイニングによって1年間で消費される電力は、ケンブリッジ大学全体に704年間電力を供給できるほどの電力とのことです。

なお、ビットコインマイニングによる消費電力量の大きさから、「ビットコインのマイニングだけで20年以内に地球の気温が1.5度以上上昇する」という指摘もあり、地球環境への影響が懸念されています。

地球温暖化はビットコインマイニングだけで2033年までに限界を迎える – GIGAZINE