外食大手サイゼリヤには、全国に多くのファンがいる。そのサイゼリヤが、最新決算で巨額の赤字を計上した。Twitter上では、ファンから「赤字らしいから豪遊してくる」などと応援ツイートが続々投稿されている。サイゼリヤは、ファンからの温かい声を後押しに業績回復を果たせるのか。

■第2四半期の業績:営業利益・経常利益・最終損益が全て赤字に転落

サイゼリヤは21021年4月14日、2021年8月期第2四半期の連結業績(2020年9月〜2021年2月)を発表した。売上高は、前年同期比18.3%減の628億6,900万円となり、営業利益と経常利益、最終損益は全て黒字から赤字に転落している。

具体的には、営業利益は37億8,300万円の黒字から7億8,200万円の赤字に、経常利益は41億3,400万円の黒字から2億5,400万円の赤字に、最終損益は22億4,100万円の黒字から5億6,500万円の赤字に転落した。

▽サイゼリヤの最新決算概要

会計期売上高営業利益経常利益最終損益2021年8月期第2四半期628億6,900万円△7億8,200万円2億5,400万円△5億6,500万円2020年8月期第2四半期769億2,700万円37億8,300万円41億3,400万円22億4,100万円

※出典:サイゼリヤIR資料

売上高減少の主な理由についてサイゼリヤは、日本セグメントについては「ソーシャルディスタンス確保のために客席数を減少させた影響」としている。ちなみに、コロナ禍が再拡大している中国においても、売上と営業利益をそれぞれ減少させる結果となっている。

サイゼリヤ2021年8月期の通期業績の予想では、経常利益と最終損益こそ黒字になると見込んでいるが、営業利益は7億円の赤字で着地するという見通しだ。

■このような厳しい状況にTwitter上では応援ツイートが続々

企業が決算で巨額の赤字を計上すると、Twitterなどではさまざまなツイートが発信される。応援ツイートもあれば、冷ややかなツイートもある。どちらのツイートが多いかはその企業によるが、サイゼリヤの場合は応援ツイートの方が圧倒的に多い印象だ。

● ●「赤字らしいから豪遊してくる」「ランチだけだけど自分なりに支援」

冒頭紹介した「赤字らしいから豪遊してくる」というツイートからは、売上減のダメージの緩和に少しでも貢献できれば…、というファンの思いがひしひしと伝わってくる。サイゼリヤ関係者が目にしたら、きっと心が温まるだろう。

その他にも「微々たる応援だけど、先週に続いて来た」「ランチだけだけど自分なりに支援」「赤字のニュースを見てマジショックだったので、今日はサイゼリヤ」「みんな、平日もミラノ風ドリア食べに行こう」といったツイートがTwitter上を賑わせた。(※「ミラノ風ドリア」は価格が300円のサイゼリヤの看板メニュー)

いまは、コロナ禍の影響を受けて赤字を余儀なくされているサイゼリヤだが、このような固定ファンの多さは確実にコロナ禍収束後の業績回復の原動力になるはずだ。

■「第4波」が発生、外食業界ではまだまだ厳しい状況が続く

サイゼリヤの巨額赤字の計上によって、サイゼリヤには多くのファンが存在していることが改めて鮮明となった。しかし、日本では現在「第4波」が起き、3度目の緊急事態宣言が発出された。外食業界にとっての厳しい状況は、まだまだ終わることはなそうな状況だ。

民間調査会社の東京商工リサーチの調べでは、4月22日までに確認された「コロナ破綻」は1,385件となっており、そのうち飲食業が239件と最も多い。そしてこの件数の増加スピードは、コロナ禍の収束が長引けば長引くほど加速していくものと考えられる。運転資金面でどんどんきつくなっていくからだ。

しかし残念ながら、日本ではワクチン接種が海外に比べて遅れており、収束にまだ相当な時間がかかることはほぼ確実となっている。

ちなみに、外食大手の2021年2月期の決算発表では、大手8社のうち6社が赤字となっている。リンガーハットは87億円の赤字、ドトール・日レスホールディングスは109億円の赤字、クリエイト・レストランツ・ホールディングスは138億円の赤字だ。

黒字となった企業は、郊外店を中心に展開するコーヒーチェーン大手のコメダホールディングスと、宅配や持ち帰りサービスに力を入れたカレーチェーン大手の壱番屋の2社にとどまった。

■次なる決算発表の数字にも注目を

現実問題、ファンが多いサイゼリヤであっても、まだまだ厳しい状況が続きそうだ。ただしサイゼリヤも、テイクアウトメニューやデリバリーの継続、既存メニューのブラッシュアップ、キャッシュレス決済の全店導入などを通じ、何とかこの苦境を乗り切ろうとしている。

今後、2021年8月期の第3四半期の決算発表、通期の決算発表と続いていくが、どのような数字が発表されることになるのか、引き続き注目していきたい。

文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)

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