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アジア食品のスタートアップがいま、投資家と小売業者を引きつけている理由:消費者の嗜好の変化と需要拡大も後押し

アジア食品のスタートアップがいま、投資家と小売業者を引きつけている理由:消費者の嗜好の変化と需要拡大も後押し

多くのアジア食品ブランドの創業者にとって、パンデミックの最中のブームの後、食品分野全体が減速しているなかで、自社商品への需要は伸び続けている。今年前半には、アジアから着想を得た炭酸水ブランドのサンゾーが、小売需要に対応し、社内の業務を拡大するため、シリーズAラウンドで1000万ドル(約13億7000万円)を調達した。オンライン食品ブームと時を同じくして、これらの新興企業の多くは、パンデミックの最中に多数のD2Cやソーシャルメディアのフォロワーを築くことができた。チリクリスプやその他の中華調味料を販売しているフライバイジンは、隔離環境での調理を楽しくする方法に関するニューヨークタイムズ(New York Times)の記事で取り上げられた。この記事により、フライバイジンは3カ月分の在庫を3日間で売り切った。同社は現在インスタグラムで11万人を超えるフォロワーを抱え、ターゲット(Target)やコストコ(Costco)などのマスマーケットの大手業者を含む数千の小売業者で自社商品を販売している。シアトルを拠点とするXCJも同様に、パンデミックのあいだにフォロワーが急増し、同社はファストカジュアルレストランから転向して、手作りの小籠包(冷凍スープ団子)で数千のサブスクリプション利用者を集めるようになった。新興企業である同社は、中華風のバーベキュー用焼き串も出荷しており、10月にはインポッシブルフーズ(Impossible Foods)との提携により冷凍麺のキットを発売した。同社は2022年、垂直統合型のD2Cチャネルで前年比300%の成長を経験した。XCJの共同創設者であるカレブ・ワング氏は、同社がオンライン専業ブランドから転向し、小売業者と契約しようとしていた時期に、新たな資金調達ラウンドがあったと、米モダンリテールに語った。「小売り業者と買い物客は、各地域にある料理をますます区別されるようになってきた」と同氏は付け加えている。「これによって、単なる一般的な食品ではなく、当社のような特化したブランドが機会を得られるようになった」。イマジナリーベンチャーズのパートナーであるローガン・ランドバーグ氏は、アジア食品のカテゴリーは500億ドル(約6兆8500億円)と推定されており、今年、ほかのCPGブランドの資金調達が低迷しているにもかかわらず、ベンチャー投資家にとって魅力的なものだとコメントしている。このカテゴリーは北米ではまだレストランに大部分独占されているが、アジアのCGPブランドが占めることのできる食料品店のホワイトスペースはまだ大量に残っていると、同氏は付け加えている。2022年2月のユーロモニター(Euromonitor)のレポートによれば、アジアのクイックサービスフードは過去25年間に135%以上成長した。「分析して見ると、消費者からの需要が強く、加速していることが明らかだ」と、同氏は述べている。小売業者のあいだで成長中のカテゴリー