テレビ離れが叫ばれて久しい。しかし、これはある面で誤っている。正確には「放送波離れ」とすべきだろう。確かにハードウェアとしてのテレビは、コロナ特需の反動減で苦戦を強いられている。この1月の販売前年比も、台数89.3%、金額90.6%と前年割れだ。しかし、1割前後のマイナスで踏ん張っている。テレビはまだなんとか売れているのだ。変化が生じているのは、そのテレビで見るコンテンツ。インターネット接続に対応するテレビの販売台数構成比は、1月現在で78.5%。昨年1月に比べ5ポイント拡大した。ほぼ8割のテレビでネットコンテンツを楽しめる。テレビ画面に映っているのは放送ではなく通信。ストリーミングに主流が移りつつあるのではないか、というのが、いわゆる「テレビ離れ」の正体だ。