2023年11月以降、中東では紛争が激化しているが、戦況は「イスラエルvsハマス」から「イスラエルvsイランとその代理勢力」へと拡大している。イスラエルが4月、シリアの首都ダマスカスにあるイラン大使館の領事部をミサイルで攻撃し、イラン革命防衛隊の幹部らが死亡したことを受け、イランは史上初のイスラエル領土への直接攻撃に踏み切ったが、それはイスラエルに大規模な被害を与えることを想定したものではなく、同国を政治的に強く牽制する目的だったと言えよう。また、イスラエルは7月、テヘランを訪問していたハマス最高幹部イスマイル・ハニヤ氏の殺害に関与したとされ、イランは再びイスラエルへの報復を宣言したが、それから数週間が経つが、現時点で具体的な措置は講じられていない。